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カスタマーサクセス用語集

メタバース

Metaverse

インターネット上に構築された3次元の仮想空間の集合体を指し、ユーザーがアバターを通じてリアルタイムで他のユーザーと交流/活動できるデジタル空間。

近年は「次世代のインターネット」とも称され、新しい形の交流形態やビジネスチャンスを生むものとして注目されている。一般的にメタバースが認知され始めたのはコロナ禍以降と言われる。ただし、その概念自体は90年代から存在する。

90年代はインターネットの利用が一般社会に浸透し始めた時期であり、オンライン上でコミュニケーションに対する需要が増加し、アバターを使った仮想世界でのコミュニケーションをサービスとして提供する事業者が増加した。著名な例としては2003年にリリースされた「セカンドライフ」がある。

●メタバースの変遷

メタバースは90年代から存在しているが、年代とともに少しずつ形を変えている。90年代後半のメタバースは、インターネットと3Dグラフィックス技術を組み合わせたシンプルなものだった。アバターを操作し、テキストチャットや簡易的な感情表現を行うアイコンで交流していた。

2000年代に入ると、メタバースに「経済」の要素が加味され、コンテンツの枠が一気に広がった。仮想空間内で土地やアイテムを売買できる仮想経済の仕組みが導入され、ユーザーが独自のコンテンツを作成し、空間を発展させる形式が確立された。2003年に登場した「セカンドライフ」では、個人や企業が仮想空間内で土地の売買や広告収益を得るなど、現実世界に近い経済活動を可能にした。2020年代以降のメタバースは、人間同士のリアルな共同体験・作業が可能な場企業のとなり、企業のバーチャルオフィス、ショッピング、ライブイベント、教育・研修、ゲームなど、さまざまな活動が可能な空間として注目されている。

●メタバースの仕組み

メタバースは、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)、ブロックチェーン技術、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)などの複数の先端技術を組み合わせることで実現されている。

・ベースとなる技術

メタバースの基盤となるのは、3Dグラフィックス、ネットワーク技術、XR(VR/AR/MR)技術である。3Dグラフィックス技術とネットワーク技術は、仮想空間内での自由な移動やオブジェクトの操作を実現している。

さらに、XR技術(VR・AR・MR)が、メタバースの没入感を高めている。VRは完全な仮想空間を構築し、ユーザーをその中に没入させる一方、ARは現実世界に仮想オブジェクトを重ねることで拡張された体験を提供する。MRは、これらを融合し、仮想オブジェクトと現実環境をより自然に統合する技術である。

・付加価値を実現している技術

最新のメタバースでは、AI、ブロックチェーン、デジタルツインなどの技術によるリッチなコンテンツが提供される。AIは人間が操作していない仮想的なキャラクターの会話や行動を、よりリアルにする。

また、ブロックチェーン技術によるNFT(非代替性トークン)を活用することで、ゲーム内のアイテムや通貨の複製を禁じ、売買が円滑に進む仕組みを提供する。ビジネスの分野では、デジタルツイン技術が現実世界とメタバースをつなぐ役割を果たしている。現実空間のデータを仮想空間に反映させることで、都市計画、製造業、ヘルスケアなどの分野で高度なシミュレーションが可能になり、メタバースの実用性が向上している。

●活用例

メタバースは、エンターテインメント、ビジネス、教育、医療など多岐にわたる分野で利用されている。たとえば、ユーザーは仮想空間内でゲームを楽しむだけでなく、会議や講義を開催したり、商品を販売することも可能となる。また、現実では困難またはコストが高い体験や演出を仮想空間で実現できる点が特長。